2015/09/30

エスニック幹事備忘録

チベット料理 タシデレ(曙橋)http://ichigaya.keizai.biz/headline/2215/
コロンビア料理 プントプンタ(恵比寿)http://ebisufan.com/news/puntopunta.html/
エチオピア料理 クイーンシーバ(恵比寿)http://www.queensheba.info
カンボジア料理 アンコール・トム(町田)http://www.angkor-thom.info
スリランカ料理 セイロン・イン(中目黒)http://ceyloninn.jp
パレスチナ料理 アルミーナ(神田)http://www.almina-restaurant.com
ハンガリー料理 パプリカ・ドット・フ(高輪)http://hungaryshop.jp/paprika/

2015/09/29

秋の花2つ

この時期は、通りのあちこちで、花が咲いている。

 名前がほとんどわからないので、道すがら、撮影しては教えてもらっている。

 きょう撮ったのは、ヒベリカム(左上の写真)とランタナ(同じく左下)。

 ランタナの和名は七変化。合わせたつもりなのに、ピントは葉のほうに合ってしまった。花がぼーっと写っていて、「正体は見せませんよ」と、ちょっとばかり神秘的。小さいけど鮮やか。

2015/09/26

したたか

「空気の読めない」KYではなく、「読める」YKトリオで大森に行ってきた(左は貝塚公園にあった白い彼岸花)。

帰途、予定外の場所で、こんなものに出会った。
善慶寺の「新井宿義民六人衆墓」だ。
詳しくはここに譲るが、このお墓の知恵にはビックリ。

1676年、圧政に耐えかねた村人の代表者6人が、死を賭して直訴を計画。浅草馬喰町で、その機会をうかがっている最中、密告され、計画が発覚。直ちに追手が差し向けられ、捕えられ、翌年斬首刑。
墓を建てることは認められるわけもない。そこで一計を講じて作られたのがこのお墓。ある村人が両親の墓という名目で建てたもの。表を両親名にし、裏に6人の法名を掘った。水入れは堀のように四方をめぐり、その仕切りに穴が開けられている。したがって、前面で注いだ水は裏側にも回り、供養できる。現在は、裏が表になっている。

LINE記念日

ついに陥落。
LINEに登録。
確かに便利だ。
メール、
電話、
アルバム、
コミュニティ
が、
シームレスで
できる。
スタンプの
やりとりも
一興。
ウェブ世代からすると、
アプリを入れないと使えないのが難点。
しかし、
アプリ世代には何でもないのだろう。
デフォルトがアプリなのだから。

2015/09/25

社会は産業ではない

6月に出された下村博文文部科学相の国立大への通知が問題になっている。
人文社会科学系、教員養成系を社会的要請の高い分野に転換すべし、というあれである。
これに対する反論は、もちろん強い。「社会的」要請だけで学問の軽重を決めるのはおかしい、……
しかし、問題は「社会」の中身にある。
上記の通知にある「社会」は「産業」の意味で用いられている。あるいは「経済界」の同義語である。
辞書を引けば、わかるように、どこにも「社会」に「産業」の意味はない。
だから、「社会」が本来の用法で使われているのであれば、「人文・社会科学系、教員養成系を社会的要請の高い分野に転換すべし」に異論はない。結局、「転換する必要はない」と同義だからである。
「産業的要請の高い分野に転換すべし」では露骨だと思ったのだろう。
言葉が、またもないがしろにされている。

2015/09/24

三分の一の確率

JBBY創立40周年記念連続鼎談「子どもの本のこれから」の再録、『角野栄子さんと子どもの本の話をしよう』には、4つの鼎談が収められている。

 1 幼年童話─物語がうまれるとき
高楼方子×富安陽子×角野栄子

 2 絵本・翻訳─世界に通じる言葉のリズム
荒井良二×金原瑞人×角野栄子

 3 児童文学─会話文のおもしろさ
ひこ・田中×令丈ヒロ子×角野栄子

 4 街や自然、動物からうまれる物語
あべ弘士×穂村弘×角野栄子

 鼎談には二つの共通点がある。

1. 事前打ち合わせなし
2. 一人3つ自己紹介をする。その中の1つだけがホント。それを残りの二人が当てる。

旭山動物園の飼育係をしていたあべさん。閉園期間の冬の半年はノアの方舟みたい。動物といっしょだと言葉をしゃべる時間がない。ペットじゃないから馴らしてはいけないし。そうやってずっといると、だんだん人間でなくなってヒトになる(社会心理学的にもおもしろい)。これを25年も続けたあべさん。

5人で会議してるとする。その休憩時間に、5人の名前の頭文字をつなげると「あいしあえ」になる、とか気になる穂村さん。

欧米の言葉にはオノマトペが少ない。「サーッと」雨が降る、はshowerという動詞に変わる。日本の家屋は、外もウチ。柱族と壁族の違い、と角野さん。

ビートルズが境。それ以後、イギリスにもジーンズ。言葉の意味も変わる。「みなさん、いまの日本で使われている言葉が、これからどう変わっていくか、よーく注意深く見たほうがいい」「言葉の意味は、用心深く考えたほうがいいと自分では思って暮らしている」角野さん。



2015/09/21

特集「非文字文化の魅力」

GRAPHICATION。200号は印刷版の最終号(表紙は、スズキコージさん)。裏表紙(表四)の児玉房子さん撮影の写真はすがすがしい。

学部20周年記念本が、その「編集者の手帖」に載った。

★先頃、次の書物をいただきました。記して謝意に替えます。ありがとうございました。

野本三吉『希望を作る島・沖縄』、津野海太郎『百歳までの読書術』の3つ後に、東京経済大学コミュニケーション学部編『コミュニケーションという考えかた』。

好きだった雑誌に学部の名前を残せた。粉川さんゆかりの雑誌でもあるし。
GRAPHICATIONは、次号から電子マガジンに移行する。
『希望を作る島・沖縄』の書評

2015/09/20

つくる文化人類学

ベトナムのファッションデザイナー、ミン・ハン(Minh Hanh)さんの講演を聞いた。ファッションショーをはさみながらの1時間はあっという間に過ぎた。

ベトナムで縫製産業は重要産業だが、それは輸出用工業製品を作るだけ。その現状を変えたい。そこで、ミンさんが注目したのが少数民族の紋織り

ベトナムには53の少数民族が住んでいる。もちろん国境で分割されたから「少数」なのであって、隣国にいる同じ民族の人を合わせると、少数ではない。

ベトナム国内で最も多いのがキン族の86%、残り14%を53民族が占める。

ミンさんのデザインは、少数民族の織物を取り込んだもの。そのために、彼女はかれらの村にその都度、滞在して、くらしのようす、織り方や裁縫を観察する。それはフィールドワークと変わらない。アウトプットだけが文化人類学者と異なる。エスノグラフィを残す人類学者に対して、彼女は衣装をつくり、残す(伝統を生かす)。いわば、彼女はつくる文化人類学者。

村の女性たちは、いまの生活で事足りているのに、「なぜ、それ以外に織るのか」と、自分たち用以外に織ることをなかなか納得してくれなかったという。その意味では、ミンさんの仕事は村人の価値観を変えたとも言える。

講演ステージの両脇では、2つの民族の人が機織り。民族名は忘れてしまったが、地べたで織る姿は2000年前と同じ方法らしい(当時の織り棒と織物が遺構で発掘されている)。いわば生きた遺跡である。

今回は、日本のビンテージ着物を使ったファッションも見せてくれた。100年前の生地が甦る。

2015/09/19

未明の採決もどき

日付が変わって、9月19日の未明。
自民党、公明党、野党3党(次世代、元気、改革)は、前々日の参議院特別委員会の抜き打ち強行採決を受け、安全保障関連法案を参議院本会議で「可決」、成立させた。

法案に賛成した議員リスト
衆院》《参院



2015/09/17

軍隊からシベリアから「生きて帰ってきた男」の意見陳述

 小熊謙二(元シベリア抑留者)は、韓国の元日本軍人・軍属でシベリア抑留者だった呉さんの提訴(損害賠償と公式陳謝の要求)の原告意見陳述を行った。

「私が本裁判の原告になったのは金銭が目的ではありません」で始まる。
締めくくりは、「立法府と行政府が何もしてくれないとなれば、私共は司法に訴えるより術を持ちません。素朴な考えかもしれませんが、法の精神は生まれながらに与えられた人の権利を守ることにあると思います。同情はもう結構であります。どうか事実そのものを、又物事の本質を真正面から見据えて、論理にかなった判断をして下さる様、望みます」。

 謙二の人生を読み進んできて、この陳述を読むと、迫力を覚える。賠償することなく、平和祈念事業から、「慰労金」国債10万円分と「慰労品」(銀杯)で済ます日本政府(対象者は軍務期間3年未満の軍人恩給欠格者)。恩給も、勤務期間と階級で受給額に差がある。大将は年額800万円を超え、佐官クラスで500万円ほどだという。どこまでも軍隊の論理がついてくる。
小熊英二『生きて帰ってきた男』から。

2015/09/12

久しぶりに晴れたと思ったら

5時49分、大きな揺れで目が覚めた。

「すわっ!」と思ったが、今回は大きな被害はなかったよう。震度4。緊急地震速報は鳴らなかった(鳴る間もなかったのか)。

 豪雨の直後に大きな地震。災害大国であることを思い知らされる。

 先日、「コメントライナー」(9/1号)に掲載された芳賀啓さんの記事「地震とライフポイント」を読んだ。

 その記事ではじめて知ったのだが、関東大震災は災害の呼称であって、地震名は関東地震。判明している直下地震を並べていくと、「つぎ」の地震は関東地震ではなく東京地震。これまでのサイクルからすると、50年ぐらいの猶予はあるかもしれないが、その間に急がれるのは、地域ごとに独立した手押し井戸のような「ライフポイント」の構築。玉川上水の「上水」としての復活を、が彼の提案である。

 いざというとき、頼りになるのは、そこだけで対応できる、つまり分散であって、集中ではない。と、ボクも思う。
気象庁の長谷川洋平地震津波監視課長は記者会見し、「2、3日程度、最大震度4の余震が起こる可能性がある」として、注意を呼び掛けた。

2015/09/08

ときどき……

< >(不等号)を見つけると、
〈 〉(山括弧と言うらしい)に直したくなる
( の前にある は、
 )のあとに持っていきたくなる
『現代用語の基礎知識』、今年も1項目担当。

2015/09/06

コミュニケーション心理学

来年度後期、担当する予定の授業だ。

その準備で、齋藤孝の『コミュニケーション力』を読んでいる。

11年前、2004年刊行の本。「自己責任」「負け犬」が流行語に選ばれた不寛容の年だ。

本書には「○○力」が続出する。
コメント力もその一つ。
コメント力をつけるために心がけたい点をいくつか挙げておきたい。まずは、「人と同じことを言うのはやめよう」……
こう書かれてしまうと、ボクなどコメントできなくなってしまう。そもそも人と同じかどうかの判断はむずかしいし、第一、一字一句「同じこと」はないだろう。仮に「同じこと」だったとしても、答える側は、なぜ「同じこと」を言ったのか考える価値はある。

紹介されている、授業内のエクササイズは応用できそう。

本書の「コミュニケーション力」は「対話力」をさしている。意外だった。

2015/09/05

『民を殺す国・日本』

大庭健の新刊
副題は「足尾鉱毒事件からフクシマへ」。途中、日清・日露、大戦、チッソ(水俣病)を経由する。

「国が決めた」「すべてを考慮した」「検証のなさ」「誰も責任は取らない」「気の毒だが……」と、戦前と戦後が切れ目なく続く。
「国の定めたこと」という呪符によって追い払われ、聞き届けられずに漂っている呻きの気配を察したなら、とにかく立ち止まって耳を澄ますこと。これがポスト3.11を生きる者の課題である。
日本は富国強兵で欧米列強をモデルにしてしまったが、北欧を範にしていたら、国土を広くしようとか思わなかったのだろうなと大庭さんは想像する。自著に『デンマルク国の話』があるように、内村鑑三はデンマーク(農林立国、酪農立国)に注目していた。

2015/09/03

「喪」

帰り道。
獣医さんから出てきた中年夫婦。
奥さんが犬を抱きかかえながら、大声で泣いている。
号泣に近い。
亡くなったのだろうか。
心の中で参列した。

2015/09/02

官と民

ツイッターで、原武史さんが来春、放送大学に移ることを知った。
その彼の講義録が出ている。
知の訓練:日本にとって政治とは何か』。
授業は「比較政治学」。
毎回、「はい、こんにちは。授業を始めます」で始まる。

明治神宮で祈願する人は明治天皇に祈願していることをどのくらい意識しているのだろうか。はじめ、時間、広場、宗教(神道の特異性)、神社(靖国の特異性)、都市、地方、女性が政治の文脈で語られる。印象に残ったのが以下のくだり。
 たとえ政府が交代しても、権力が政府の側にあるという構造自体は変わらない。権力に吸い寄せられるようにして、何もかもが治者、つまりお上の周りに集まってくる。一方、被知者である一般民衆は権力と無縁な世界に生きていて、「官」と「民」との間には「高大なる隔壁が築かれている。ここから福沢(諭吉)は、「日本には政府ありて国民(ネーション)なし」という名言を(「日本文明の由来」で)残しています。
「官」は東京でもある。慶応で学んだの阪急の創設者、小林一三。福沢の思想を具体的空間のなかで実践しようとして、大阪を選んだ。
 本書は政治実用書であると同時に、格好の大阪入門でもある。
後編はいつ出るのだろう。
4月からの放送大学での授業「日本政治思想史」も楽しみだ。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...