2017/04/02

「一村」と「薫」

東京新聞夕刊 4月1日。

土曜訪問「亡き人に正義を返す」

ルポ 思想としての朝鮮籍』著者、中村一村さんのインタビュー記事。
一村はイルソンと読む。生い立ちを聞いてくれた在日の信頼する大学教員が「じゃあ、イルソンさんですね」と呼んでくれた。
中村さんは日本(父)と朝鮮(母、在日朝鮮人2世)のダブル。
朝鮮や韓国を扱った本では、当然ながら、名前にふれられることが多い。読もうと思っていた本だ。
中身は「在日の先達」6名からの聞き取りである。聞き取りといえば、『在日一世の記憶』や『在日二世の記憶』をすぐ思い浮かべる。中村さんのこの本は、出田さん(記者)「も悔しさに震え、涙がこぼれそうになる。人ごととして描写していない」。
日朝両方のルーツを持つことで、同じ在日からも疎外される。「人生で初めての『イルソンさん』という呼び掛けが、どれほど優しく響いたことだろう」と出田さんは書く。

コンパス「名はなんだらう」

記者、樋口薫さんのエッセイ。3人目の子をさずかり、前から命名に頭を絞っていた、という。本人の薫は、庄司薫由来。代表作『赤頭巾ちゃんに気をつけて』を読んだのがハタチ。以来、中の一節「知性とは、なにか大きなやさしさみたいなものを目指していくものじゃないか」に幾度となく道を照らしてもらった気がする、と書く。
「そんな名を自分も付けられるだろうか。思い悩むうち深みにはまった」。

週末は結婚式に出席した。祝辞をスマホ画面を見ながら読み上げるという人がいて、驚いたが、珍しくないのだろう。かれらが最初ではないだろうから。

匿名のままでは死ねない

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