2017/09/02

名前もテーマ

今週の「あの人に迫る」* は、国立ハンセン病資料館黒尾和久さん。
*東京新聞 2017.9.2 朝刊

「映画監督の宮崎駿さんがよく資料館に来るとか」の質問に答え、黒尾さん。

もののけ姫」にハンセン病患者が描かれていることは有名ですが、「千と千尋の神隠し」も全生園(ぜんしょうえん)へのオマージュ(敬意)だと確信しています。主人公は名前を取られて、違う名前を与えられて生きる。けなげに働く。まさに療養所です。千尋は名前を取り戻して外に出られて良かったね、じゃ駄目なんです。カエル顔のおじさんやおかめ顔のお姉さんは、名前を取り戻せずあそこにいるままでいいのか。そう見ると奥深いです。



以前、資料館を訪れたことがある。そこは黒尾さんが指摘するように「歴史を逆なでする博物館」(ベンヤミンの言葉)。目を覆いたくなる現実が展示されている。そのときは入場者が少なく、ゆっくり見られた。

匿名のままでは死ねない

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