2017/11/18

17歳で初めて

「17歳、生まれて初めて自分の名前が書けた」
夜間中学卒を誇りに生きる男の記憶
ハフィントンポスト』2017年11月18日

 ちびた鉛筆で、たった6文字を書くのに何日かかったかわかりゃしない。当時17歳。生まれて初めて自分の名前が書けた時、心臓がドキンドキンって高鳴り、手が震えた。

 そのうち俺は「漢字の名前も教えてくれ」って頼むようになった。そしたらおじいさんが、拾った辞書で「高野雅夫」って教えてくれた。

 「高※」という字、古い辞書だったから旧字体の「はしご」の「高※」を使ってる。だから普通の「高」の字を書かれると、俺ではないと思う。

 「高※」の字にはおじいさんの歴史と俺の命が込められているから、絶対的にこだわっている。だからはんこも、作った戸籍もみんなこの「高※」。

※いずれも「高」の旧字体ですが、機種依存文字のため、新字体にしています。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...