2017/11/19

真の意味での個人主義

19日の東京新聞サンデー版、「発達障害」特集。

 発達障害は、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)の総称。

 関わり方のポイントとして、3点が紹介されているが、これは発達障害者に限らない。どころか、すべて人間共通。

◎否定ではなく肯定で伝える
◎叱るよりほめる。成功体験を与えよう
◎ひとりひとりの特性を理解し、寄り添った支援を

ほら、ね。

 おもしろかったのが、自称「選択的発達者」、小説家、市川拓司さんのコラム。

「発達障害だからできたこと」

 ぼくのような人間が平均の基準となったらどうでしょう?(略)ぼくのような人間がマジョリティーになれば、彼ら(引用者注:いわゆる多数派)は選択的発達者ということになります。みんなどうにも元気がなくて、声が小さくて無口で、「活力に欠けた生徒」とみなされます。でも、ぼくの国では彼らを「障害者」とは呼びません。というのもぼくらは「相対的なものの見方」をするからです。多様性が当たり前。当然差別の概念もありません。集団への帰属意識が極めて薄いことが理由なのかもしれません。
 真の意味での個人主義。同調圧力はナンセンスであり、排他主義者の言葉はチンプンカンプン。ヒエラルキーは存在せず、女性は男性から崇拝されています。嘘つきはおらず、争いを極度に恐れ、かつ集団行動が苦手なので、軍隊も存在しません(整列させるそばから、みんなどこかへ行ってしまいます)。すごく変な国です。でもとっても平和です。

整列させない国、いいなあ。

フルネームで呼んでくれてありがとう

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