「お正月生まれなんで、正子というの」。しょうこと読むのか、まさこと読むのか、ルビがないので、定かではない。由来からすると前者だろうし、字面からすると後者。が、なによりもルビを振ってないから、一般的な「まさこ」なのだろう。
インタビューにこう答える。インタビュアーは著者の森まゆみさん。
—個人的には(略)お幸せな一生ですね。
「でしょ、だって名前が正子だもの。正しい人生よ。こんな簡単な名前で、横と縦で書けるから、ボケても自分の名前くらいは書けると思うの」。
インタビューは、名前の文字にふれて終わる。名前にはいろいろな顔がある。
★森まゆみ 2025『谷根千、ずーっとある店』朝日新聞出版。