2011/11/26

卒論の書き方4:要旨の扱い

 要旨をどう扱うか。

 要旨(アブストラクト)の記載や提出を求められることがある。 その場合、どう書けばいいのか。

 学生たちの書いたものを見ていると、要約ではなく、紹介に堕しているものがほとんど。例えばこんな感じだ。

 1章では◯◯についてふれた。2章では…。最後に、結論と今後の課題を整理した。

 これではもくじと変わらない(学術雑誌でも、これに近い例を見かけることがあり、ことは学生に限らない)。

 要旨は、それを読むだけで論文そのものを読んだ気になれるように書くのが基本である。結論を含め、論文のエッセンスを惜しげもなく書こう。そうすれば本文を読みたくなるに決まってる。要旨は字数こそ少ないものの、作成にはけっこう時間がかかるはず。

2019年7月14日改訂


フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...