2020/08/19

夏といえば茗荷、茗荷と言えば……

茗荷は日本で昔から栽培されていた夏の野菜の一つ。茗荷には、食べると物忘れがひどくなるという俗説がある。以下は、大橋鎮子さんの文章からの引用ですが、「回り」を「周り」にしました。周利の「周」に合わせて。

むかし、お釈迦さまの弟子に周利槃特(しゅりはんどく)という人がいました。まじめなのはいいのですが、たいへん覚えの悪い人で、はては自分の名前まで忘れてしまう始末。

周りの人が、それならと、彼の名前を大きな板に書いてやりました。いつもその板を背負って歩いて、名前を聞かれたら背中を見てもらいなさい、という親切です。

槃特は、板を背負って精進しました。忘れても忘れても、こつこつと勉強をして、ついに悟りを開き、そして世を去りました。

やがてそのお墓の周りから生えてきたのが、みょうがでした。名も知らぬ、この香りのよい草を、人々は槃特の生まれ変わりと思ったのでしょうか、いつも名前を荷(にな)って歩いていた槃特にちなんで、名荷、草なのでクサカンムリをつけて茗荷と名づけたといいます。

大橋鎮子『すてきなあなたに』から

 覚えが悪くても、こつこつ勉強した。そこまで知らなかった。なぜ話がこんがらがってしまったのだろう。茗荷を食べると物忘れをするなんて。