2011/01/21

近代的自己

今日は、大阪中之島でヒューマンコミュニケーション基礎研究会
少し早めに切り上げて、「ウフィツィ美術館自画像コレクション1664-2010」の国立国際美術館へ。
2007年夏、上野の芸大で「自画像の証言」展が開かれ、その後名を挙げた画家の学生時代の自画像がいくつも展示された。このときはあいにく教育テレビでしか見られなかったが、今回は自画像の現物を見る機会となった。
自画像と言っても、まさに多種多様。アトリエを背景にしたベルクハイデの自画像では、自身の教養(例、楽器)や業績、信条をあらわすものを書き込まれ、二人で仕上げた集団自画像や、若い頃と描画時の顔を重ねた自画像、キャンバスを破って顔を見せている騙し絵風の作品もある。
さらには完成までに9年を要したシャガールの自画像、ビストレットは自画像を鏡面に書き、それを見る人の顔が映り込むようにした作品を残している。
会場を回り終わって、自画像の隆盛と日記の隆盛とに関係はないのだろうか、と思うに至った。日記に関する解題を書いている最中の絶好のタイミングでの鑑賞となった。
勧めてくれた、あさりんさんに感謝。

【おまけ】自画像史のような本があれば、読んでみたい。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...