『偏見の構造』再読。
著者のお二人は既に鬼籍に入られた。本書の大半を書かれた我妻洋さんは精神分析概念を用いながら(東工大で宮城音弥と出会っているのだろう)社会心理学者として偏見の過程を説く。
第9章は書名にもなっている「偏見の構造」。その第1節が「社会的規範としての偏見」。このアプローチからの研究はあまり進んでいないのではないだろうか。最近のヘイトスピーチ問題を考えると、深化は喫緊の課題だろう。その後の社会心理学の知見も取り込んだ『偏見の構造2.0』が読めないものだろうか。
★奥付を見ると、1967年1刷で、1980年24刷。Amazonでは1円で売られている。
2013/05/10
フルネームで呼んでくれてありがとう
スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。 ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。 シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...
-
バニアード (1999)の『 心理学への異議 』( 鈴木聡志 訳 2005)はいい本だ。内容も訳も。 その本の原注に、以下のような記述があったのをすっかり忘れていた。 心理学研究で調査される人を表現するのに「被験者(subject)」と「参加者(participant...
-
■コートネームとは 2013.7.5 http://www.osaka-shoin.ac.jp/life/report/2013/07/p=13896 バスケットボールのように展開が速いスポーツでは、いちいち「綾小路麗華シュ~~~ト」なんて名前で呼んでいる時間がないので...
-
『 卒業論文のデザイン 』読者のみなさんへ 文中で紹介した文献の改訂版、読書案内向きの新刊が出ています。以下はそのご案内です。 ▼p.16 「型を知り手本をまねる」最下行 『APA論文作成マニュアル第2版』→ 『 APA論文作成マニュアル第3版 』 ▼p.29 「コラム6 」C...