カレーを食べていると、以前かかったことのある歯医者さんが入ってきた。
あいさつを交わしたら、それを見ていたオーナーが「お知り合いですか?」。
「歯医者さんで、診てもらったことがあって」。他に答えようがない。
すると、彼が、ボクをさして「大学のせんせーなんですよ」。
「そうなんですよ、患者さんなんです」で十分なのだ。
この先生、診療中も、よくボクのことを「せんせー、せんせー」と言っていた。名前で十分なのに。
スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。 ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。 シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...