東京新聞から寄贈された同紙の戦後40年分の新聞記事スクラップを見るためだ。段ボール箱(H30cm×W32cm×L45cm)で750箱。記事のデジタル保存で、切り抜き作業が廃止になって、不要になったからだ、という。
でも、確かめると、商用データベースに収録されているのは1987年4月以降の分。同センターでは、この嫁ぎ先を探している。
たまたま開けた段ボール箱は原子力関連記事。こんな記事があった。
「八ヶ月間も走れる原子力機関車 世界で四番目 設計図が完成」1956.9.22
運輸省では……。しゃへい体は重さ百九トン。AH100型の簡単な図面が載っている。子供でも書けそうな設計図だ。
「来年から研究へ 原子力電話 研究員60人で」1958.7.25
夢の電話として各国から注目されている原子力電話の構想……放射線の回線利用も平行して行う……。
原子力電話に原子力機関車。びっくり。googleで検索したら、原子力電話はヒットしなかった。
宝の山。
他の書庫も案内してもらい、その途中で2冊もらった。
『東京大學教養學部各科担當諸先生執筆 大學生の讀書—何をいかに読むべきか—』1950年、山根書店刊。
当時の学部長は矢内原忠雄。刊行の翌年、総長に選出されている。
『學生生活』1952年刊、新評論社。
編者は大河内一男と清水幾太郎。第1部はいま出ている大学生活入門に近い。当時もこんな本が出ているのは驚きだった。第2部がいい。
もくじ
第1部 学問と研究
学問
講義
試験・レポート
ゼミナール
研究会・討論
読書
第2部 学生生活の諸相
すまいと生活
師弟論
友情について
恋愛
学生運動
人間と信仰について
スポーツ
趣味・娯楽
健康・衛生
いただいたのは第3刷。カバーの見返しに読者の声が載っている。
「……新設された新制大学では、真の大学ともいうべき『学問研究の場』が私共初期の学生によって作られなければならないとき本書は現在の大学生に大いに読み且つ学ばれる書となることでしょう」。これが60年前。
ところどころ読んだ痕跡を示す赤線が引かれている。
おまけ 武蔵野市内にもこんな案内板があった。
「いっとき避暑地」。