2014/09/22

韓国で

ゼミ研修で学生たちと韓国へ(9/17-21)。

 今回は、セウォル号事故の余波の大きさに気づかされた。培材大学に行った時、構内の手すりのあちこちに黄色いリボンが結びつけられている。聞けば、これは乗船者の生還を祈ることから始まった行動。いまとなっては哀悼を示すシンボルに変わってしまった。
 グラウンドのあちこちにテントが張られている。中は模擬店。事故による自粛で延期になっていた学園祭の初日だという(本来は5月開催)。この間も教室では部分的に授業が行われている。全面休講とはならないようだ。
 ソウルに行くと、市庁舎の前には大きなイエローリボンと追悼所、広場にはイエローリボンの柱が何本も立っている。事故の規模もさることながら、多数の若い命を失ったこと、右往左往した事故報道がとりわけ市民にとって衝撃だったようだ。

 ソウル市内の散策で偶然見つけた博物館「Seoul City Wall Museum」がよかった。開館2ヶ月という真新しさ。Seoul City Wall(漢陽都城)とは、漢陽(ハニャン、現ソウル)を囲む全長18.6kmの城郭(1395年工事開始)。建物自体も城郭脇に立っている。その復元と公開がかなり進んだことに伴っての開館らしい。館内では、宮殿の屋根の先端に付いている三蔵法師の一行が間近で見られる。建物自体も凝っている。それが博物館に気づいたきっかけでもある。城郭歩きは楽しそうだ。

 偶然知った展覧会「Culture Chanel」もいい(10/5まで)。翌日の下見で行ったDDP(ザハ・ハディドの設計)の受付で教えてもらった。日本語で「文化シャネルをM3でやっています」。一瞬「?」となったが、とにかくM3をめざした。それが「Culture Chanel」。
 詳しいオシャレな目録を入口でもらい、会場に入る。あらかじめ注意されていたが、予想より暗い。展示は現物のみ。ひたすら見て回る。暗いので集中して見られる。ロートレックのリトグラフなど印象に残ったものをあとで確認。展示空間も一見の価値があるし、目録も重宝しそう。

 どちらも無料。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...