2014/11/22

「考える」というのがいい

考えるマナー』読了。

読売新聞の連載が元になっている。

書名を見たとき、あるんじゃないかと思ったら、あった。「マナーのマナー」。
さて。

井上荒野さんの「名前のマナー」も出てくるが、赤瀬川原平のエッセーが、最近亡くなっただけに、生々しい。手術の話も出てくるし、「車のマナー」には「もう油断のできない年齢だ」という記述も出てきて、ドキッとする。

ブレンドの効用。たとえば紅茶。侵出時間がばらつくことで、多少、時間がずれても「最大公約数な味が保証される」(高橋秀実「ブレンドのマナー」)。「人間も然り」。

「安いわ」の「わ」は一人称。つまり「私」を意味する。柳田國男によると、「わ」が一人称であることが忘れ去られてしまったらしい。「安いわ」とは「安いと私は思う」の意(高橋秀実「買い物のマナー」)。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...