2015/01/30

デザインの国で

渡部千春(2006)『北欧デザインを知る』。
買ったままで、読んでいなかった。

デザインで「ふだん」をデザイン
  • ストックホルムでの入院生活で「すくわれたのは、職員も使う普通の陶器の食器で運ばれてきたことだった」。
  • アーラ社の牛乳パックは、ストライプの色と太さで、種類(普通は赤、低脂肪は青、その中間は緑、無脂肪は黄)と脂肪分(多いほど太くなる)を表示。
  • マリメッコが好かれる理由。エヴリボーイシャツを使うフィンランド人女性の話。「これは学生運動の名残なんです。平等を表すために着ていたんです。学生運動も終わって、私は会社員になったけど、その思想は捨てていない。だから、この布の小物を使うんです」。
  • 公共プールの話も出てくる。デザインの本で扱うのは珍しい。プールは「建築と水だけ」「見た目ではわからない使い心地、市民の使い方の違いを理解できる、いいサンプルでもある」。確かに。ボクの経験した範囲で言えば、日本のプールは(聞きたくない)音楽が流れ、一斉に休憩をさせられる。市民ではないよう。日本だと、銭湯あたりがサンプルか。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...