クリムトの絵を前に書かれたらしい。
書名について、あとがきにこうある。
詩は死、詩は志。
ふたつはことばと絵、ふたつは線二つの人。
「亡くなった人が後に遺してゆくのは、その人の生きられなかった時間であり、その死者の生きられなかった時間を、ここに在るじぶんがこうしていま生きているのだという、不思議にありありとした感覚」。
『詩ふたつ』は亡き妻、瑞枝さんに捧げられた詩集。
亡くなってすぐには読めない詩ふたつだ。
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たまたま「七草」スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。 ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。 シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...