「大震災翌日誕生 6歳の歩み力強く前へ」抜粋
河北新報 2017年3月18日
東日本大震災翌日の2011年3月12日に生まれた宮城県利府町菅谷の内海堅靖(うちみけんじょう)君(6歳)が18日、町内の保育園を卒業した。ライフラインが途絶える中でのお産で一時仮死状態になったが、医師らの懸命の努力で命をつないだ。後遺症で脳性まひなどがあるが、保育園や町などのバックアップを受けて、2年間通園した。友だちに囲まれて心身ともに大きく成長し、4月からは小学校に進む。
3月11日夜、震災の影響か、母理英子さんは予定日より10日早く産気づいた。到着した町内の病院は停電と断水が続いており、難産に悪条件が重なった。12日午前に帝王切開で誕生したが、一時危険な状態になり、保育器の代わりに、病院職員が堅靖君を懐に入れて温めた。緊急出産の連絡は町役場にも入り、町職員が出産に必要な水を病院に届けるため奔走した。
「厳しい環境で、医療現場の皆さんには最大限のことをしてもらった」と父貴史さん。堅靖君は、脳性まひとウエスト症候群と診断された。震災発生直後の混乱の中で助かった命。「亡くなった人の分も力強く生きてほしい」。家族は強い願いを、3人きょうだいの末っ子の名前に込めた。
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フルネームで呼んでくれてありがとう
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