2021/01/15

「小英弁当」

政治家の自伝を読むのは、これが初めて。総統選前までのようすが書かれている。『蔡英文自伝』。こんな政治家がいま同じ空の下にいる。そして、蔡さんに託した台湾の民衆がいる。子ブタの貯金箱による小額(少額)献金のうねりがすごい。

さて原著の副題にある「小英弁当」の意味がようやくわかった(写真は2019年の運動時のもので当時のものではないが、こんな感じだったのだろう)。

政治資金パーティの方式を「小英弁当」のパーティ方式で行った。「小英弁当」は党の若い職員が考え出した可愛らしい献金方法だった。私の顔が印刷されたキャンパス地の弁当袋に、繰り返し使うことのできる弁当箱、そして一膳の箸が入っていた。弁当の材料は、ご当地の食材を使っていた。台南県でこのイベントを行ったときには9種類のおかずが入っていた。すべて県内各自治体の特産物。後壁地区のチャンピオン米、学甲地区のうなぎ、下営地区のガチョウ肉、白河地区の蓮の実ご飯、関帝廟のパイナップルスペアリブ、善化地区の鴨の卵、将軍地区のニンジンとカリフラワー、安平地区のエビ巻き、龍崎地区のフルーツ。竹炭の箸。

書いているうちに食べたくなってきた。

私たちの献金パーティ券は一枚一万元。しかしパーティではお酒も出ないし、流水席でもない。つまり一つの弁当が一万元。とても高い。

ある日のパーティで、一つのテーブルに10人が座っていた。計算すると、一テーブルで十万元。しかし、このテーブルの担当者が私に告げた。「主席、この十名の方々は百人を代表しているのです」。一人一万元では負担が重すぎる。だから話し合った末、一人千元ずつ出し、10人で一万元にしたというわけだ。その十人から一人が派遣され、「小英弁当」を食べにやって来たというわけだ。

本書にはデモの話が出てくる。「デモ行進や抗議はそもそも民主主義制度の一環」と。いま日本では、デモは違法と思っている人すらいるという。少なくとも社会の授業できちんと説明すべきだろう。デモは人権だと。

握手の話も出てくる、とここでは一言だけ(p.204)。