2024/11/09

コカ・コーラ「Share a Coke」

 2011年からコカ・コーラ社が始めたキャンペーン。

コカ・コーラのボトルのブランド名の場所に、各国のポピュラーな250の名前(ジェシカやエミリー)を印刷した缶とボトルを発売した。オーストラリアから始まり、その後日本など80カ国に及んだ。このキャンペーンで、たとえば米国では売り上げが12週間で2.5%伸びた。

効奏の背景は、パーソナライズ効果とスノッブ効果(越智, 2024)。

①パーソナライズ効果
 人は、その商品が自分のために、そして自分の特定ニーズを念頭に置いて設計されていると感じるとき、その商品に愛着を感じる。

②スノッブ効果
 人は他人が持っていないものを買いたいという気持ちがある。

自分の名前のボトルをさがす人、買う人、友人や家族の名前を見つけて購入、プレゼントする人、家族の名前の入ったボトルを購入して並べる人(このような体験を作り出すマーケティング手法をエクスペリエンス創造という)。
「さらに興味深いことは」、ラベルに名前のなかった人、つまり珍しい名前の人にも、このキャンペーンは有効だったということ。かれらは自分の名前が見つからないことで、自分の名前のユニークさを再認識し、満足したのである。


通常ロゴが印刷されているボトルのラベルの中心部分に、購入者が自分の好きなワードを書き込める「ネームボトル」を発売し、大成功をおさめた。購入者は、ボトルに人の名前や好きな言葉などを思い思いに書き込み、中には、このボトルを活用してプロポーズに成功した消費者も。そして、それらの画像はソーシャルメディア上で拡散され、たちまち話題になった(一筆太郎)。

キャンペーンに乗っかった人たちは、コカ・コーラ自体にお金を払ったというよりは、体験価値にお金を払ったのだといえる。この事例のポイントは、ブランド名の露出は抑えたが(デ・ブランディング=ブランド名あるいは親ブランドを表に出さずに、ロゴやシンボルマークなどでマーケティングを行う戦略)、ブランド自体の影響力は消えていないということ。仮に、無名の飲料メーカーが空欄のあるボトルを販売したところで、コカ・コーラと同じようにヒットしただろうか?「コカ・コーラのボトルにメッセージを入れられる」ことが価値であり、むしろコカ・コーラの強いブランド力によって成り立つキャンペーンではないだろうか(松山 響)。


2025年もムリしない

ある記事をたどって行きついたのが、シニアメガネさん(東京で暮らす窓際族。 ボーッと暮らしています、らしい)の note 。 その中の記事がこれ→「 週に2回ピアノを弾く暮らし 」。 「◯◯な暮らし」をぜひ本文で。 シニアメガネさんの 今年の目標 もぜひ。そう(賛同の意)。「ムリし...