2011/03/04

知恵袋カンニング事件による研究へのインパクト

知恵袋を利用した入試カンニングで思ったこと。
知恵袋行動の調査をあさりんさんとやったことがあり、その際、知恵袋でなされるQuestionを正解「あり」型と「なし」型(「質問(知識追求)」と「相談」と言い換えてもいい)とに分け、その枠組みで全体の研究計画を組んだ。しかし、たまたま僕がツイッターでしたリッカート尺度に関する質問、そして、今回の事件で行われた「質問」は、いわばどちらにも属さない。試験である以上、正解はあるのだが、それは百科事典(外在知)で得られるようなものではない。もちろん、相談という性格のもの(内在知)でもない。第三のタイプを想定しないといけないのではないか。正解はあるはずなのだが、人に聞かなければわからないタイプのQuestion。それを顕在化させたのがネット上のQAコミュニティである。今回の事件はそのことを示している。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...