以下は『社会化研究「序説」』の政治的社会化に関する章で引用されている調査結果である。いずれも40年前のデータだが、現在もあまり変わっていないのではないだろうか。
(1)政治家のイメージをたずねた米日比較調査の結果。大統領の人格評価では、小2から小8に向かって「いい人」というイメージが4割から9割に増えていく。それに対し、総理大臣の「いい人」というイメージは小2で6割、小3、4の7割強をピークに徐々に下がり、中2、3で3割(岡村忠夫, 1969, アメリカにおける政治的社会化研究)。
日本の政治家はこんな存在だ。
(2)福島県県民室が1971年に行った「青少年の生活意識」調査。よい市民のイメージをたずねた結果だ。「選挙にきちんと投票する人」は小中学生の親世代でわずか6%前後(子どもでも1割以下)。「国や県、市町村の政治に関心を持つ人」が同じく2割前後(子どももほぼ同様)。それに対し、米国では「選挙にきちんと投票する人」は小中学生で4割前後、「国や県、市町村の政治に関心を持つ人」では小中学生で過半数。
そもそも投票キャンペーンで投票率の向上など見られる訳がないのに、ましてや、この数字を見ると、効果のないことが明確だ。