フェースブックとオンラインプライバシー:態度、行動、意図せざる結果
Debatin, B., Lovejoy, J. P., Horn, A.-K. and Hughes, B. N. (2009), Facebook and Online Privacy: Attitudes, Behaviors, and Unintended Consequences. Journal of Computer-Mediated Communication, 15, 83–108.
◎要約
本稿は、フェースブックユーザーのプライバシー問題に対する意識、およびフェースブック利用の利点とリスクそれぞれの認知を追究する。研究の結果、フェースブックは、特定の使い方と習慣的行為をとおして、ユーザーの日常生活に深く組み込まれていた。ユーザーは、プライバシー問題を理解していると回答したものの、他方かなりの個人情報をアップロードしているとも報告した。プライバシー侵害リスクは自身よりも他者のことにふれられていた。しかしながら、プライバシー侵害を報告したユーザーは、他者からプライバシー侵害のことを単に聞いたというのではなく、プライバシー設定を変えている可能性が高い。研究結果は以下のことを示しているのではないか。この手ぬるい態度の根底には「高い満足」「利用パターン」「第三者効果に似た心理的メカニズム」、それら三者の結びつきがあるのかもしれない。SNSをいっそう安全に利用するためには、ユーザー態度を変える必要があるだろう。
This article investigates Facebook users’ awareness of privacy issues and perceived benefits and risks of utilizing Facebook. Research found that Facebook is deeply integrated in users’ daily lives through specific routines and rituals. Users claimed to understand privacy issues, yet reported uploading large amounts of personal information. Risks to privacy invasion were ascribed more to others than to the self. However, users reporting privacy invasion were more likely to change privacy settings than those merely hearing about others’ privacy invasions. Results suggest that this lax attitude may be based on a combination of high gratification, usage patterns, and a psychological mechanism similar to third-person effect. Safer use of social network services would thus require changes in user attitude.
フルネームで呼んでくれてありがとう
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■コートネームとは 2013.7.5 http://www.osaka-shoin.ac.jp/life/report/2013/07/p=13896 バスケットボールのように展開が速いスポーツでは、いちいち「綾小路麗華シュ~~~ト」なんて名前で呼んでいる時間がないので...
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