2011/11/19

卒論の進め方3:データ分析の基本

卒論用データは一定のサンプリング手続きを経て、ということがまずない。サンプリングがなされ、回収率も高ければ、単純集計でも意味を持つが、そうでなければ、一変量の集計結果に一喜一憂しても仕方ない。

そもそも、心理学の研究であれば、現象の過程に関心があるのだから、二変量処理(2変数間の関連)を解析の基本にしよう。デモグラフィック属性とのクロス集計でもいいし、変数間の関連でもよい。

離散変量同士の場合は、クロス表(→直接確率計算、χ2検定)、連続変量同士であれば、まず散布図を作成し、相関係数も算出してみよう。離散変量と連続変量の組み合わせであれば、離散変量の水準ごとに平均を出す。

クロス表は度数で作ること。%ではなく。

これらの作業は、田中・中野コンビのjs-STARでほぼできてしまう。
http://www.kisnet.or.jp/nappa/software/star/

本ならば、同じコンビによる『クイックデータアナリシス』。
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b456051.html

2019年7月14日改訂

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...