2011/11/29

卒論の書き方7:文末表現

論文では文体も大事。

研究論文の文章の末尾はいくつかパターンがある。

が、使ってはいけない末尾もある。その筆頭は「思う」と「思われる」。「思う」は主観。根拠のある推定であれば、「と考えられる」「と言える」が基本。曖昧さが残るので、理想は言い切ること。

以下の記述も避けた方がよい。

「わかった」。

「ことがわかった」を取るだけですごくスッキリする。事実を記述するだけで十分だ。こうも言える。「わかる」のは著者ではなく読者。どうしても「わかった」を使いたければ「……が明らかになった」かなあ。あるいは「示された」とか。

2019年7月14日改訂

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...