彼らのあとを追うように、地上に出ると、すぐ台湾大学の正門が目に入った。門も小さいし、そんなに広くないのかなと思いきや、斜めに進むと、いきなり、メインストリートが飛び込んできた。大王椰子の広大な並木道だ。その真正面のはるか遠くに図書館が見える。正面が図書館というのはいい配置だ。あそこまで何キロあるのだろう。
15分ほど歩いてようやく着いた。館内入口の左脇では謝豐舟先生(医学部)の回顧展が開催中だった。室内は、65歳で定年になった彼の公私がたっぷり紹介されている。入口で彼の業績ネットワーク(意味ネットワークのような図)を撮影していたら、関心があると思われたのか、ご本人を紹介されてしまった。説明は気さくな感じでわかりやすかった。彼は家が代々、医学部教授というエリート中のエリート。広島に行ったことがあり、そのスケッチも展示されていた。
館内の奥で開かれていた「形與力/形態的多様性」も覗いてきた(本当はこちらを見るつもりで行ったのだった)。東大の総合研究博物館が共催している。解説もシンプルでわかりやすい。
帰りは、校史館を見学。どこから来てどこへ行くのか。歴史は大事だ。学外者と同時に卒業生にも来てほしいとの趣旨で6年前に作られている。館内の一角に「口述歴史DIY」というブースが置かれている。目の前にビデオカメラとスクリーン、キーボード。背後に椰子の並木道の写真。スイッチを入れると録画が始まり、記録はアーカイブされていく仕組みで、上映もされている。いいアイデアだね。
(写真は、構内にあるファストフード屋さん)