2012/02/10

カート・ヴォネガット

斎藤環の『家族の痕跡』を読んでいたら、「ヴォネガットが提唱したような、ミドルネームを共有するだけで誰でも家族になれる『拡大家族』はひとつの理想ではあるけれど」というくだりに出会った。
「ヴォネガット」と「ミドルネーム」で検索すると、『スラップスティック―または、もう孤独じゃない』という著書がヒットした。Miki KOYAMAさんの紹介によれば、「無作為に選んだミドルネームを全国民に発行して、同じミドルネームの人たちを人工的な親戚にする政策の話があったね。目的は『孤独』という名の奇病の撲滅」。
共通の名前が仲間意識を形成する可能性はゼロではないけど、そういう背景だと無理がある。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...