2012/05/12

インタビュー記録の怪

名前インタビュー、54人で一段落。ただいま、その記録の編集中。冊子の完成予想図もできあがりつつある。

文字起こしをしていて気づいたこと。

その1 話したままを文字にしても、話しているように感じられない。意外だった。非言語手がかりが落ちるからだろうか。

その2 話口調風に直すと、一見話しているように感じられるのだが、こんな風に、つまりシナリオの台詞のようになって、話すわけないよな、という言い回しになってしまう。

その3 しかし、読者が、その場にいるかのように感じるためには、そうせざるを得ない。すると、インタビュー記録は実在しないインタビューということになる。紙面にしか存在しない仮想インタビュー、それがインタビュー記録。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...