室井滋さんも3.11以後、「何かしたいのにどうしていいかわからない、もどかしい日が続」いた。
「そんなときに以前から温めていた『名前』をテーマにした本を上梓しました」。
名前に関心がいくとは、なんという偶然。同じような人はもっといそうだ。
「親が与えてくれた誰にも奪えないもの、それは名前だと思うのです」。
(室井滋(2011)『女の悩みはいつもマトリョーシカ』青春出版社より)。
スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。 ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。 シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...