2012/06/26

金大中自伝II

ようやく読了。
以下、抜粋。

名前
「韓国人は、姓を命より大事なものと考えます。ところが、日本は私たちの姓を日本式に変えるようにし、韓国語を禁止しました」。
「日本という他国で、沈寿官一族は」「韓国人であることを忘れず、自らの姓を一四代にわたって四〇〇年間守ってきた」。

痕跡
「フランスのルーブル美術館では、朝鮮時代の陶磁器が陳列された場所に敷かれたカーペットが一番早くすり切れてしまうそうです。一度見た人がまた、繰り返し見たくなり、観覧者は他の三倍にもなるそうです。技術はそんなにすばらしくはないが、陶磁器に込められた無心と無欲がヨーロッパの人たちを魅了するのです」。

国のトップ間のコミュニケーションが随所に登場する。びっくりしたのは飛行機で国境を越える際、その国のトップから電話が歓迎の電話が入ったりすることだ。

金大中の揮毫は「実事求是」。意訳すると、「書生のような問題意識と商人のような現実感覚」(波佐場清の解説)。青臭さとしたたかさと言えばいいだろうか。政治家の2条件でもあるだろう。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...