このころ、管理職の人事評価は「人柄」を基準にすべきだと思うようになる。成果主義は考え方としては正しいが、測定が難しい。ある時期に上がった成果が現任者の功績か、前任者の種まきによるものなのか、はっきり分けられないからだ。それなら「誠実」「部下の面倒見がいい」といった人間性を重視した方がいい。これが企業風土になれば客に対しても誠実な社員が増えるはずだ。
彼は遠慮して書いているが(オリジナルは日経の「私の履歴書」)、実は成果主義をよしと思っていないのではないか。成果をある個人に還元することがいかに奇妙なことか、そして、できないことをあたかもできるかのようにする主張は、結局、成果を呼び込まない。むしろ、弊害の方が大きい。
小倉さんは引退後、スワンベーカリーの創業はじめ、障害者福祉の世界をスイスイ泳いでいる。
長野駅に着くと、駅前の電光掲示板は2度を示し、空からは雪が舞い降りている。今夜から大雪になるらしい。