2013/03/17

読了『震災日録』

森まゆみさんの著書。「記憶を記録する」が副題に付いている。もとは彼女のブログだという。さっそく見に行くと、日記の日付と公開日とがずれている。彼女なりのプライバシー対策なのかもしれない。以下、本書からピックアップ。

2011/8/24の日記。北上川には追波川という名前もあった。「地名は歴史の証人である」。

2012/2/19の日記。こんなことがあるとは。脳梗塞で歩くのが困難になっていた野村さん。ボランティアでやってきたアフリカの人の太鼓で「リズムに乗って嬉しい感じがしてくるんだよ」。それで、震災のあとはどんどん元気になって、いまではすたすた歩いてる」。二人に1枚しか毛布をもらえなかった館山さん。「十何年ぶりに女房だいて寝たよ。寒くてやってらんねえもの」と、こんなこともある。小山さんは定年退職後、百姓をやっている。「今日はこれからシイタケのほだ木を取りにいくの。菌を植えたのをあげるというんだけど、それじゃすることがない。穴をあけて菌を植えるのが楽しいんです」。もっともだ。


フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...