2013/03/08

『テレビという記憶』

2013年はテレビの「還暦」。

還暦にはお祝いの意味が含まれる。単に60年と言わず、還暦という表現を用いるとき、何を祝おう。あるいは、深い意味はなく、単純に切りのいい数字という程度かもしれない。そもそも「本来」の還暦は数えだし。

さて、賜った『テレビという記憶』。副題は、テレビ視聴の社会史。なぜ「記憶」なのか。

「テレビは、多くの人々に共通の娯楽と情報を提供し、記憶を共有する装置として機能してきたのである」(はじめに、より)。「テレビという記憶装置」とした方が編者の意図に近そうだ。

テレビの利用満足研究。その成果を絞りに絞ると、娯楽視聴と情報視聴に二分される(最終章より)。

テレビ離れは前者利用の低下で、後者はネットの隆盛とリンクして、現在の主流利用となっている。

ラジオからStand  by meが流れている。メディアで言えば、ネットが当たるだろうか。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...