なんとなく書棚から取り出し、パラパラ眺めていたら、名前に関する記述が出て来てビックリ。
『教育の方法9 子どもの生活と人間形成』だ。1987年刊と四半世紀前の本。捨てなくてよかった。
堀尾輝久の論考「子どもの生活・文化と人間形成:自己意識を中心として」。
そして、村井潤一の「幼児期の人間形成と自我の発達」。
堀尾さんは文中で、羽田澄子の映画「痴呆性老人の世界」を紹介している。
百人一首の下の句をすらすら続ける老婦が、自分の娘がわからず、自分の名前にも反応しない。自我意識は「記憶の世界とは別に、自分自身の名前を忘れ、自分についての意識も、対象知覚より先に薄れ、情況と混融し、消失していくだろうか」。
名前がわからなくなるときのことを全然考えていなかった。
村井さんは、自己自身の命名は、両親への「命名より遅れる。自分の名前は、名前の中でもっとも多く聴いていると推定されるにもかかわらずである」。以下、理由説明が続く。
名前に関する発達的観点の記述がほしかったので、ありがたい限りだ。うれしくなって、この偶然を誰かに話したかったが、あいにく見たらず、結局、ここに書くことにした。
今回の発見のきっかけは、今日の依頼取材。こんな副産物があるとは。受けてよかった。取材でやってきた3名はいずれも、名字2文字、名前1文字。桂さん(Cats Lalala)、きょうだいが「し」で韻を踏んでいる太さん、剛さん。しばし名前談義。
2013/06/26
フルネームで呼んでくれてありがとう
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