留守宅に、星野博美の『戸越銀座でつかまえて』があった。
面と向かって話を聞いているような気持ちにさせられる文章だ。
途中で、名前に関するエッセイが出てきた。
「せーらとわるつ」
「名前は確かに時代を映す。……」
続きは本で。
最後の方で、五島自動車学校に行くまでの経緯が出てくる。
ああ、こういう時期だったのか。
この本は2009年までの1年間の連載がもとになっている。あの日、彼女はどうしていたのかなと思ったら、これも最後の方で出てきた。
「2011年3月11日」
この日から18日まで、文章は日記に変わる。
戸越銀座に「異変」が起きたのは3日後、14日から。同じ独身者でも、家族と同居しているか否かで違う。比較の相手は、酒井順子の「地震と独身」(「小説新潮」連載中)。
読後感は「じわーっ」。
