2014/02/26

書名に引かれて

「わたしの名前は、三度変わっています。父から貰った名前がルイズ。父母が殺されたあと、祖父によって留意子と変えられ、その名で育ちました。ルイと名乗るようになったのは、敗戦後のことです」
自分の名前の由来を知ったのは「五十歳の坂を越えて」。以下は父親が残していた命名譚。
……こんどの子は、僕の発意で、ルイズと名づけた。フランスの無政府主義者ルイズ・ミッシェルの名を思ひ出したのだ。彼女は……勇敢であつたが、しかし……情愛の持ち主であつた。が、うちのルイズはどうなるか。それは誰れにも分らない。
きのう「帯に引かれて」読んだ本の中に松下竜一が出てきて、プライミングされ、彼の著書を検索。検索結果の中に『ルイズ—父に貰いし名は』という本があった。気になって図書館で借りた。

その本の冒頭に出てくるのが最初に引用した文章だ。

由来を知って、彼女は、
「うちのルイズはね、あまり勇敢には生きてきませんでしたのよ……」と小声に出して答えてみた。
彼女は大杉と伊藤の間に生まれた4番目の子ども。

まだ、冒頭の数ページ。

参考 同伴者の本棚

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...