2014/04/13

今朝の東京新聞から

荒野の古本屋』の森岡督行(よしゆき)さんのインタビューから
古美術商の主人が言っていた「商品はコミュニケーションの一つにすぎない」という言葉を大切にしている。「本を売って得る利益は数千円。それより話を得て次につながる方が有意義です」。
ビー・ウィルソン『キッチンの歴史』から
料理道具による食文化と食習慣の影響を読み解く。例えば、計量機器の登場は料理の再現可能な科学へと変えた半面、五感による加減能力を低下させた、という。「理想のキッチン」が気になる。
「ファミリー」の語源は「火を囲む最少の集団」(光藤俊夫・中山繁信『すまいの火と水』)(黒田さんのサイト)から

 関連書 藤原辰史『ナチスのキッチン:食べることの環境史』。

白井聡のインタビューから(国民の「」は引用者)
政治に深く絶望する気持ちも分かるが、多くは国家権力がどういうものか、深く考えたこともないのだろう。国家は常に「国民」を優しく包み込んでくれるものだ、という現実離れした感覚なのではないか。庶民がどう思おうが、国家には国家の意思があり、時に個人との決定的な対立が生じうることを分かっていない。例えば、福島や沖縄には、実際に国家の犠牲になっている人がいる。 
内田節の論考から
安心感のある社会とは、この社会のなかにいれば誰もが生きていけるという、信頼感のある社会のことなのである。そのためには、ともに生きようとする倫理観が必要なはずである。
……
およそ二百年前に活躍したドイツの将軍クラウゼヴィッツは、有名な「戦争論」のなかで、戦争は対外的な関係から発生するのではなく、国内的要因によって起こる、と述べている。国内のあり方が、戦争を必要なものにしてしまうということである。
……
私たちは、ともに生きる社会を再創造しなければならないのである。今日のような弱肉強食のような社会ではなく、誰もが平和な一生をとげられる安心感のある社会を創り上げなければならない。そのことが、世界との平和を希求する社会をも生み出すのである。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...