2014/05/06

1軒だけあった

 吉村順三の作った家に泊まってみたい。そう思っても、他人の家に泊まれる訳がない。ならば、と探したらホテルがあった。

 稲葉なおとさんの『匠たちの名旅館』に、彼の手がけたホテルのリストが載っている。
  • 国際文化会館(1955年竣工)
  • ホテル小涌園(1959年竣工)
  • 俵屋本館増築(1959年竣工)
  • 京都国際ホテル(1961年竣工)※2014年12月26日営業終了
  • 俵屋新館(1965年竣工)
  • 文殊荘新館(1966年竣工)
  • ホテルフジタ(1969年竣工)※2011年1月営業終了
  • 大正屋新館(1973年竣工)
  • 仙石芙蓉荘(1974年竣工)※その後「ホテル箱根ガーデン」となり、2011年1月16日閉館
  • 大正屋別館、離れ改築(1978年竣工)
  • 文殊荘新館増築(1979年竣工)
  • 大正屋大広間改装(1983年竣工)
  • 大正屋レストラン改装(1983年竣工)
  • 大正屋売店改装(1983年竣工)
  • 大正屋大浴場・四季の湯(1985年竣工)
  • 文殊荘新館増築(1985年竣工)
  • 大正屋大浴場・滝の湯改装(1986年竣工)
 うれしいことに、ボクでも泊まれそうなホテルが一、二ある。

 名前を見て思い出したのが、新日鉄の仙石芙蓉荘。見覚えのある名前だ。そう、大学院時代、研究室の合宿で泊まったことがある。ずっと「新日鉄の寮」という認識しかなかった。当時は吉村さんの存在を知る訳もなく、ただ広々しているなあという印象だけが残っていた。隅々まできちんと見ておけばよかった。残念。

 まずは、今冬限りで消えてしまう「京都国際ホテル」から、かな。

 ところで、この本、本文が紙の端(小口)ぎりぎりまで印刷されている。不思議な感覚に襲われる。気になって調べたら、あった。

 「本文がページ単位で途切れるのではなく、巻物のように続いていくイメージにしたかった」(デザイナーの大森さんの言葉)。

 なるほど。

 ふと思い出したのが新島旧邸。院生時代、1泊したことがあるような気がする。同志社の知り合いが気を利かせてくれたのだった。いまは見学のみらしいが、贅沢な経験だった。朝食は目玉焼き。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...