こういう先行研究があるから、こういう仮説が導き出され、こういう方法がとられ、そして、こういう結果が得られたのであれば、仮説や先行研究との関係から、一定の考察がなされ、その延長上に(暫定)結論が導かれる。
極端なことを言えば、それまでの部分を踏まえるならば、誰が書いても同じような結論になるはず 。つまり、結果の先(考察と結論)はなかば自動的に書かれる。まさに導き出される性格のものである。
研究者の顔が見えるのは、またまた極論すれば仮説から方法まで。
2019年7月14日改訂
スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。 ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。 シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...