2015/09/25

社会は産業ではない

6月に出された下村博文文部科学相の国立大への通知が問題になっている。
人文社会科学系、教員養成系を社会的要請の高い分野に転換すべし、というあれである。
これに対する反論は、もちろん強い。「社会的」要請だけで学問の軽重を決めるのはおかしい、……
しかし、問題は「社会」の中身にある。
上記の通知にある「社会」は「産業」の意味で用いられている。あるいは「経済界」の同義語である。
辞書を引けば、わかるように、どこにも「社会」に「産業」の意味はない。
だから、「社会」が本来の用法で使われているのであれば、「人文・社会科学系、教員養成系を社会的要請の高い分野に転換すべし」に異論はない。結局、「転換する必要はない」と同義だからである。
「産業的要請の高い分野に転換すべし」では露骨だと思ったのだろう。
言葉が、またもないがしろにされている。