2015/09/06

コミュニケーション心理学

来年度後期、担当する予定の授業だ。

その準備で、齋藤孝の『コミュニケーション力』を読んでいる。

11年前、2004年刊行の本。「自己責任」「負け犬」が流行語に選ばれた不寛容の年だ。

本書には「○○力」が続出する。
コメント力もその一つ。
コメント力をつけるために心がけたい点をいくつか挙げておきたい。まずは、「人と同じことを言うのはやめよう」……
こう書かれてしまうと、ボクなどコメントできなくなってしまう。そもそも人と同じかどうかの判断はむずかしいし、第一、一字一句「同じこと」はないだろう。仮に「同じこと」だったとしても、答える側は、なぜ「同じこと」を言ったのか考える価値はある。

紹介されている、授業内のエクササイズは応用できそう。

本書の「コミュニケーション力」は「対話力」をさしている。意外だった。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...