意外にも「路上は社会のシェルターであり、失われた人間関係を回復させる場所だと気づきました」という。
人がホームレスになるのは、住む家やお金がなくなった時ではなく、社会や頼れる人間関係を失った時だとも。つまり彼らが必要としているのは、経済的支援だけではなく、当たり前の人間関係を築くことなのだと。
「支援する側の発想は、まず路上生活から脱しましょうというものがほとんどです。でも路上からの脱出を急ぐあまり、人間関係は置き去りにされることもある。僕たちは支援する、されるという一方的関係を越えて、立場の違う人たちと、どういう人間関係を築いていくのか。そのヒントは路上にあるのではないかと思います」。
「ビッグイシュー日本版」No.274から。