2015/12/17

KKに連れられて

久しぶりに懐かしい2文字を目にした。
KK
いつから使わなくなったのだろう。
気がついたら、使われなくなっていたという感じだ。意味がわかるのは何歳以上の世代だろう。
KKは株式会社(かぶしきかいしゃ)の略。いまなら、さしずめ(株)というところか。
出ていたのは、獅子文六の『コーヒーと恋愛』。原題は「可否道(かひどう)」。1963年発行。もとは新聞の連載小説。
以下は、ご本人のあとがき。
後半1/4は苦闘だった。病苦で、1回分を書くとグッタリ。こんな苦労して書いたのは初めて。古稀の老人には無理だったのかもしれない。新聞小説は五十代まで。それにしても、コーヒー小説はコリた。

登場人物の名前もいまや渋い。モエ子、勉(つとむ)、貫一、ミヤ子、アンナ(これは意外だ)、……。

洋行、インテリ、ミーちゃん、ハーちゃん、……かしら、と出てくる単語、言葉遣いが50年前にタイムスリップさせる。経験している時代だから、ね。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...