2016/05/15

「文庫化された秀作」

栗原裕一郎さんのテーマ書評(今朝の東京新聞)

佐藤剛『上を向いて歩こう:奇跡の歌をめぐるノンフィクション』小学館文庫(2015年12月刊)
もとはこれ(岩波書店)
▼なぜSUKIYAKIになったのか。音楽評論の「理想型のような名著」と栗原さん。

安田寛『バイエルの謎:日本文化になったピアノ教則本』新潮文庫(2016年3月刊)
もとはこれ(音楽之友社)。
▼ツェルニーに進みたかったけど、バイエルで挫折した。40年前の話だ。手がかりのないテーマに迫る方法論としてもおもしろそうだ。栗原さん曰く「ノスタルジックな寄書」。

赤田祐一+ばるぼら定本 消されたマンガ』彩図社(2016年4月刊)
▼2013年、鉄人社から『消されたマンガ』が刊行されたのちに回収・修正されたマンガの情報が追記されている。ばるぼらさんの名前を久しぶりに見た。「昨今かまびすしい表現規制問題へと連なっている」(栗原)

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...