2016/05/13

二種類の庭園

先週に引き続き、谷根千へ。

週1回だけ開くカフェに行き、その帰り、朝倉彫塑館に寄った。

東洋のロダンとも言われた朝倉文夫のアトリエ兼住居。1935年に完成した。その後、耐震工事を含む修復工事がなされ、2013年、4年半ぶりに再開館した。そのとき、日曜美術館で取り上げられ、いつか行きたいと思っていた。一般公開は朝倉自身の希望だった。没後3年の1967年公開。

天井高8.5mという大アトリエに入ると、巨大な小村寿太郎像が目の前にあらわれる。ワシントン記念堂のリンカーン像のようだ。

日本庭園が中庭にあり、儒教の五常、「仁」「義」「礼」「智」「心」が、5つの巨石で表現されている。自己反省の場として設けられたとか。丸みを帯びた、それらの大きな石は、ヘンリームーアの作品を思い起こさせる。抱擁されるよう。

アトリエの3階の上には屋上庭園がある。案内板によれば、日本最初の屋上緑化らしい。端に大きなオリーブの木が植わっている。こんな大きな木が屋上で育つとはびっくり。

なぜ屋上庭園があるのか。

朝倉文夫は朝倉彫塑塾を開いていた。その必修科目の1つが園芸だった。門下生は屋上庭園で野菜を育てたという。もちろん食料になったのだが、生命の観察もテーマだったのだろうか。いまは野菜はなさそうだ。

「詠まざるを得ぬ」

「ふるさとの基地に殺された娘たち隆子に由美子徳子も里奈も」玉城洋子  天声人語(2025/01/11)で紹介。 「基地に殺された娘たち」三十一文字に詠まざるを得ぬ、目の前の現実  朝日新聞 2022年9月5日 10時00分 米兵に、そして米軍事故に。