2016/06/03

ローマ字と英語


 ただし表示物は「発音できる」ことより「理解される」ことが優先される。たとえば「〜大学」の駅名は、固有名詞として定めたとしても「〜 Daigaku」とローマ字でつづるより、「〜 University」と英語でつづる方が、外国人に理解されやすいことは知っておく必要がある日本サインデザイン協会編『伝えるデザイン』)

逆の立場になればすぐわかることだ。

 カタカナやひらがなで発音がわかったとしても、意味はわからない。しかも、その発音にしても原音の再現ではない。あくまでも原音風にすぎない。それにもかかわらず、日本ではルビをローマ字にしただけのものが大半を占める。固有名詞だからということなのだろう。。とりわけ悲惨なのがバス停の表記。Kitazawa 1-chome、Minami Shogakkoと示されても、何が何やら。そもそも、これらのアルファベットが、たとえばキタザワと、こちらの期待どおりに読まれる保証はない。1-chomeに至っては、発音もメチャクチャ、理解もされない。
地下鉄の路線図は見やすい。原型はロンドン地下鉄のそれ。しかも、ロンドンも営団地下鉄(現、東京メトロ)も、デザイナーが持ち込んだもの。ロンドンではハリー・ベック(1931年採用)、東京では河北秀也(1972年正式採用)

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...