2016/06/02

学生のアドバイス

4年生の参考にと、横浜時代の教え子の卒論をながめていた。その中に「定年退職後の夫婦が幸せに暮らす秘訣」と題する論文があった。すっかり忘れていた、こんな卒論があることを。横浜最後の2007年度に提出されたものである。

2007年は高齢化率(総人口に対する65歳以上の占有率)が2割を越え、「超」高齢社会が話題に上った年である。

ボクもいまや「秘訣」が必要な年齢になろうとしている。そうっと最後のページを繰った。いちばん最後の文章を引用しよう。すっかり忘れていた。
妻から見て、それまで自分の城だった家に夫が毎日いるようになるというのはまったく別の生活が始まるということである。そのことを夫も自覚し、新たな気持ちで夫婦生活を送るのが良い。
この卒論を書いたのは女子学生。父親に見せたのかもしれない。

夫には定年退職後は「別の生活が始まる」という自覚が必要。その根拠は、老夫婦へのインタビューと新聞記事の内容分析だ。「おっとー」なんて言わないで、自覚しよう。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...