「守る」にはふたつの意味がある(新明解国語辞典)。
1. 他から侵されないように、防ぐ。
2. 他との間に決められた状態を、破らずに持ち続ける。
憲法を守る、9条を守る、と言うときの「守る」にも、protectとkeep、両方の意味が含まれる。だが、守るには「護」の字が当てられることも多く、憲法を守ると言ったとき、保護を想起させられる。2の意味が後退する。
「改憲」ということばも、1の意味を際立たせ、結果として2の意味を後退させる。
憲法は約束と同じ。約束を「守る」ように、憲法を「守る」。現状を憲法に沿わせる。それが「守る」。