2016/08/14

気になる書名


 翻訳書なのに、この書名。いったい、どのようにして「翻訳」したのだろう。

翻訳できない 世界のことば
エラ・フランシス・サンダース
前田まゆみ訳 創元社

 原著名はLost in Translation
 中を見て納得。「翻訳できない」は、一対一対応では訳しきれない言葉という意味。したがって、説明を長くすれば、「翻訳」できる。

 日本語では、BOKETTO、TSUNDOKUKOMOREBIWABI-SABIが登場する。
 BOKETTO。「日本人が、なにも考えないでいることに名前をつけるほど、それを大切にしているのはすてきだと思います」。だそうですよ。
 おかしかったのはKABELSALAT。ドイツ語だ。直訳は「ケーブル・サラダ」。さて、どういう意味でしょう。最近増えているのが、AKIHI(ハワイ語)。
 気に入ったのがMERAKI。ギリシャ文化の極意である。

フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...