2016/08/09

名前通り……「凌」

 いつのまにかオリンピックが始まっていた。
 体操男子団体の優勝に貢献した加藤凌平選手(22)。父親は元体操選手の裕之さん。
 名前には彼の思いがこもっていた。「私の得意だった平行棒で、父を凌いでほしい」。
ならば「平」は、平行棒の「平」だろうか。探したら2年前の記事(スポニチ、2014/10/13付け)にあった。

加藤「平行棒は僕の名前の由来」父のDNA受け継ぐ銅
体操世界選手権最終日 (2014年10月12日  中国・南寧)

 降り技の「後方屈身2回宙返り」で着地をぐっとこらえると、加藤凌平(21=順大)が両拳を力強く突き上げた。思い入れの強い平行棒で銅メダル。「ここ一番でいい演技ができた。平行棒は僕の名前の由来」。
 コナミで内村や田中を指導する父・裕之氏は選手時代、平行棒で自身の名前が付いた技も残した。その種目から「平」の1文字を取り、「自分を凌駕する子になってくれたら」との願いを込めて命名した。
 予選から難度を上げても揺るがなかった安定感。「父を超えたか分からないが、胸を張ってメダルを獲れてうれしい」という息子に、日本代表コーチの父は「勝負強いところはDNAかな」と目を細めた。

 曰くのありそうな名前だと生活史にふれてもらえる。
長崎原爆の日
被爆者代表、井原東洋一(とよかず)さんの「平和の誓い」。
オバマ大統領の広島演説冒頭「71年前、雲一つない明るい朝、空から死が落ちて来て、世界は変わった」に、「落ちたのではない、米国が、落としたんだ」。広島はウラン型、長崎はプルトニウム型。「二種類の原爆による実験ではなかったのか」。



フルネームで呼んでくれてありがとう

スティールの『 ステレオタイプの科学 』に、こんなエピソードが紹介されている。  ある伝説の英雄と同姓同名の人物に出会ったことで、研究上の疑問が解けたという話である。  シャーマン・ジェームズは、人種による健康格差の問題に取り組む公衆衛生研究者である。たとえば、アメリカの黒人は白...