(イギリス人がやっている飲み屋で、モーザーは給仕として働いていた)客からは「チャーリー」と呼ばれていた。私の名前のミヒャエルは、英語ではマイケルと言う。アイルランド人風の響きを持っていたため、他のイギリス人やアメリカ人には好ましく思われていなかった*。私をこの名前で呼ぶことは、彼らの国民感情を害することであったのである。そのため、ずっと「チャーリー」という名前で知られ、日本を去るまでの7年間、その名前で通った**。
(注)* アイルランドは1801年にイギリスに併合された。** 「7年間」は誇張と思われる。
アルフレッド・モーザー(宮田奈奈訳)『明治初期日本の原風景と謎の少年写真家:ミヒャエル・モーザーの「古写真アルバム」と世界旅行』から。著者はアルフレッドの孫にあたる。名前を国家を体現する。それゆえ支配の対象となる。
■
Charlie: Diminutive or feminine form of CHARLES